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日英バイリンガルが答える!英語を勉強する理由って何?

「どうして英語って勉強しないといけないの?」

 

お子さんや生徒さんからこのような質問を受けて、返事に困ったことはないでしょうか。

私も小学校で英語教師をして、生徒に同じ質問を投げかけられたことがあります。

 

この記事では、10年以上の海外生活や国際的なビジネスを経験した私だからこそ伝えたい、英語を勉強する理由をお伝えします。

 

  • 「どうして英語を勉強するの?」と言うお子様にどう答えたら良いか分からない
  • 将来どんな場面で英語を使うのか、具体例を知りたい
  • 英語を勉強する理由を知りたい

こんなお悩みをお持ちの小中学校の先生や保護者の方におすすめの記事です。

 

英語を勉強する理由って何?

私が小学校に勤務していた際、とある先生が小学5年生の生徒から以下の質問を受けたそうです。

 

「どうして英語って勉強しないといけないの?」

 

その先生は、「あの子たちが大人になる頃は絶対に英語を使うだろうけど、それを説明するのが難しいんですよね…」とおっしゃいました。

 

 

確かに将来的に英語が必要になる可能性は高いですが、それを小中学生に言ってもなかなか響かないかもしれません。

また、具体的にどんな場面で英語が必要になるかを想像するのが難しいと思います。

 

自分に置き換えて考えても、先生や親から言われてイヤイヤやる勉強は楽しくないし、学びには繋がりませんでした。

 

だからこそ小学生と中学生のそれぞれに向けて、英語を学ぶ理由を伝えたいと考えました。

 

子どもたちが「やってみたい!楽しそう!」と思えるきっかけ作りとして、参考になれば幸いです。

自分が興味を持ったものは楽しいですし、その子にとって意味のある学習につながります。

 

小学生向け:英語を勉強する理由

私は小学校5・6年生の最後の英語の授業では、「どうして英語を勉強するのか?」を伝えてきました。

その時は必ず「趣味や自分の好きなことと結びつけよう!」と伝えています。

 

自分の好きなことをもっと知るため

 

私は「自分の好きなことをもっと知るために、英語を勉強してみよう!」と伝えるようにしています。

 

もちろん、多くの子どもたちは将来仕事で必要になるかもしれません。

ただ、私が小学生の頃は「将来のために頑張ろう!」と思って勉強はできませんでした。

 

むしろ、いつどこで必要になるの?と感じてしまうことも…。

 

だからこそ、子ども達には「英語と自分の好きなことを結びつけてみると面白いよ!」とお話ししています。

 

例えば、私の友人には「好きな曲がたまたま英語だけど、なんて言っているんだろう?」と知りたくて、英語を勉強した子がいました。

洋楽の歌詞を自分で和訳して英語を覚えたり、ニューヨークなど外国に行ってみたりした友人もいます。

 

こうやって好きなものと英語を組み合わせると、日本にはないアイディアや考え方を知ることができます。

 

★TIPS

小学生にとっては、英語は教科ではなく「自分の好きなことをもっと知るためのツール」と考えると、より興味を持ってもらいやすくなります。

好きなことはゲームや映画、料理でも何でもOKです!

 

子どもが興味のありそうなものを一緒に調べると、親子で新しい発見ができて楽しめます。

外国ではどんなアイディアがあるのか

外国で有名なものは何があるのか

日本とはどんな点が違うのか

などを学ぶことで、世界をより広げることができます。

 

将来にも役立つから

以前、小学5年生の生徒から「英語ができなくても、通訳の人に任せればいいじゃん!」といったリアクションがありました。

 

そんな時は、子どもに

  • 将来どんな職業に就きたいか
  • どんなことに今興味があるのか

を聞いてみるのがおすすめです。

 

そこから、どんなシーンで英語が必要なのかをイメージすることで、必要な理由に納得しやすくなります。

 

例えば…

ゲームクリエイターになりたい!

私が担当したクラスでは、特にゲームクリエイターが人気の職業でした。

 

ゲームクリエイターにも、もちろん英語が必要です。

例えば、ゲームを作るためのプログラミングには英語を使います。

 

また、海外へ向けて英語で営業をすることもありますし、お問い合わせが英語で来ることもありますよね。

 

なんとゲームで有名な任天堂では、2022年3月期では売上の約80%が海外売上になっています。

世界中の人にゲームを楽しんでもらうには、最低限の英語力は必要になりそうですよね。

 

どの教科においても、「将来役に立つよ」の一言に追加して、どんな時に役立つのかを具体的に伝えることがポイントです。

 

中学生向け:英語を勉強する理由

小学生には世界を広げるためのツールとして英語が使えること、そしてその例を紹介しました。

 

大人はビジネスで英語を使うことが多くなることを踏まえ、中学生には私の会社での体験談を伝えました。

 

多くの場合、生徒は教師とは違う職業に就きます。

だからこそ、自分達が今学んでいることが社会でどのように活かされるか、一社会人として伝えることを意識しました。

 

会社で使う英語とその具体例

 

ここからは私や同期が会社で英語を使った具体例2つと、英語を勉強する上で大切な2つのポイントを紹介します。

どちらも私が以前勤務していた日系メーカーでの体験談になります。

 

具体例1:電話対応

★POINT:問いかけ

生徒に電話対応の話をするときは、まず以下の設定で自分だったらどうするかを質問するのがおすすめです。

 

【設定】

会社で電話が鳴ったので出てみると、海外の取引先からでした。

あなたなら何と言って出ますか?

 

【回答例】

Hello.  This is ~(会社名). How may I help you?

電話の出方は多くの中学校の教科書でカバーされる内容なので、自分の知識を活かす練習になります!

 

以前、私の同期から「英語の電話ってどう出たらいいの!?」と聞かれたことがあります。

 

この設計部門の同期は英語が特に苦手で、普段は海外とのやりとりが少ない部署でした。

そんな部署の同期がインドの取引先からの電話を受けて、どう対応すれば良いのか分からなかったそうです。

 

こういった困った時に使えるのが英語の基本である、中学英語なんです。

 

普段は英語を使わないようなお仕事や部署だったとしても、最低限覚えておくと助かることがあります。

英語が苦手な生徒にも響くように、あえて英語嫌いの同期の話をしました。

 

具体例2:海外調達

具体例1では普段海外とのやりとりが少ない部署のエピソードを紹介しました。

ここからは英語好きな生徒に向けて、英語を使わない日なんてなかった私自身の体験談を紹介します。

 

海外のやりとりが多い仕事の一例として、参考になれば幸いです。

 

私は日系メーカーで、部品を海外のメーカーから買うバイヤーの仕事をしていました。

実際に私が担当していた業務は以下のものです。

 

  • 契約書の内容の交渉や、契約書の作成など
  • 物の輸出入に関わる手続き(書類作成や通関の依頼など)
  • 発注の数量や納期の調整
  • 海外の取引先との電話会議
  • トラブル対応(納品されたものの品質が悪い、納期に遅れが出ているなど…)
  • 海外出張

 

海外取引を通して、国によって文化も考え方も違うことを改めて実感しました。

 

例えば、フランスのとある取引先では夏休みが長く、注文したものが遅れることが多々ありました。

そういった際は発送の前倒しの依頼や納期の交渉などを英語で行なっていました。

 

英語を通してその国の文化や価値観を理解して、事前にトラブル回避するなど、英語は欠かせませんでした。

 

日本語では得られない情報が入手できる

英語を勉強するメリットの一つは、日本語よりも多くの情報を入手できることです。

 

何かを調べる際、インターネットを使う方が大半だと思います。

そのインターネットでの検索では、日本語よりも英語での情報の方が圧倒的に多く出てきます。

 

★POINT:実演

実際に授業でパソコンを使って検索してみると、より説得力が増します。

日英でどちらの方が情報量が多いかを予想してから、検索するのがおすすめです。

 

子どもたちに好きなキーワードを自分のタブレットで検索してもらい、日本語と英語の情報量を比較するのも面白いですね。

 

例えばGoogleで「日本文化」を検索すると、英語の方が日本語よりも約1.5倍の情報量があることが分かります。(2022年10月現在)

検索キーワード 情報量
Japanese culture 917,000,000件
日本文化 628,000,000件

 

また、日本では報道の自由が制限されており、国境なき記者団によると世界で71位にランクされるほどです。

海外のメディアでは報じられていても、日本のニュースでは報じられていないこともあります。

 

つまり、英語ができるかできないかで、得られる情報量に格差が生まれてしまいます。

 

英語を勉強することで、日本語だけでは知ることができなかったことを知れます。

就職や何かトラブルが起きた時に、英語のスキルで身を助けることができるのは大きなメリットですね。

 

英語を勉強する上で、大切な2つのポイント

体験談にプラスして、以下の大事な2つのポイントも伝えるようにしていました。

 

  • 英語は、相手に伝えたいことを伝えられるようにするために必要なもの
  • 完璧を目指す必要はない

 

完璧な英語を目指す必要はない、と言うことは教師として間違っていると感じる方もいるかもしれません。

 

ですが、実際に海外の取引先と働いて、正しい文法よりも、相手に伝えたいこと伝えられることの方が圧倒的に大事でした。

 

電話などで交渉が必要な時、正しい表現を目指すあまり言いたいことが言えないと、交渉に不利に働くこともあります。

 

台湾やフランスなどの取引先も、文法的には間違っていても気にせず話していました。

英語が必要な理由の一つは、自分が伝えたいことを相手に伝えられるようにするためなのです。

 

そのため、自分の言いたいことはどうやったら英語で伝えられるかを意識して、間違いを恐れないことが大切になります。

 

まとめ

苦手な教科は誰でもあると思います。

特に英語は日本語で使われる文字や文法とは違う点が多く、苦手に感じてしまうお子さんが多いかもしれません。

 

「英語ってどうして勉強しないといけないの?」という質問を受けたとき、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。

英語がどんな時に役に立つのかを理解して、お子さんやご自身のやる気UPに繋げていきましょう!

 

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