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日本の教育とはこんなところが違う!アメリカの面白い社会科の授業:選挙編

2021年10月31日は、ハロウィンでもありますが、衆議院議員総選挙の日ですね!

 

先日、日本で生まれ育った主人と話したところ、模擬選挙をするなどの教育は受けたことがなかったとのことで、カルチャーショックを受けました。

主人からは「それなら、アメリカではどんな教育がされているの?」と質問を受けました。

 

 

そこで今回は、私が実際に経験したアメリカの面白い社会科の授業をご紹介します!

社会科の授業アイディアや、おうちでの教育に参考になれば幸いです。

 

 

 

アメリカの面白い社会科の授業(選挙編)

選挙に関連するところをピックアップして、どんな社会の授業があったのかをご紹介します。

 

この他にも、大航海時代の人物になりきって日記を書くなどの面白いプロジェクトもあったので、今度ご紹介したいと思います。

 

小学校:学校全体で模擬選挙

ここから紹介するのは、学校規模での模擬選挙は日本の学校にはない、ユニークな取り組みかと思います。

 

2004年当時、私が通っていたアメリカの小学校では、学校全体で模擬選挙を行いました。

クラスに置いてあったパソコン複数台を使って、どちらの候補者が良いかクリックする方式でした。

 

 

ちなみに、この時の候補者は以下の二人でした。

  • George W. Bush(ブッシュ元大統領)
  • John Kerry(ケリー氏)

 

Time for Kids.comを使用しての模擬選挙だったので、結果発表までは短かったです。

学校全体の選挙結果や、Time for Kidsを使った学校の総合的な結果も発表されたので、自分の考えだけではなく他の人の考えも知る機会になりました。

 

日本の教育現場に応用するのなら

タブレットを使用

日本の教育現場に応用するのであれば、タブレットの活用がおすすめです!

紙で投票用紙を用意することも可能ですが、より短時間で効率的に実践できます。

 

2021年現在なら、日本でも生徒一人一人にタブレットが支給されていることから、ICTを活用した実現可能な授業アイディアと思われます。

 

手順

1. 下調べ

政党の数と同じだけ、生徒をグループに分ける。

各グループにどれか一つ政党を担当させて、以下のポイントをまとめてもらう。

 

【調べるポイント(例)】

  • どんな主張をしているか(公約)
  • (もしいれば)自分たちの住む地域の代表者
  • この政党なら、将来的にどんな日本になると思うか

*時間がかかるステップとなるため、授業の一部と宿題にして、ポスターもしくはパワーポイントなどにまとめてもらう。

 

2. 発表

各グループに、どんな政党なのか、どんな主張をしているのか、また公約に対してどう考えたかを発表してもらう。

発表を見ている他のグループの生徒には、公約やそれに対しての自分の考えをメモできるようにプリントを用意しておく。

 

3. 投票用アンケートの準備

Google Classroomなどを利用して、投票用アンケートを作成する。

設問などに、投票の対象となる政党をリストアップしておくことをお忘れずに。

 

4. 模擬選挙の実施

生徒にアンケートで投票したい政党を回答してもらう。

 

5. 選挙結果の発表

クラスもしくは学校全体としての結果を授業で発表する。

*発表後、どんな意見が多かったのかなどの結果を分析すると、さらに考えを深掘りできるのでおすすめです。

 

 

ちなみに、東京都選挙管理委員会によると、出前授業として模擬選挙を行っているようです。

 

過去の実績を見たところ、大半が高校での授業でしたが、小学校など子どものうちから挑戦できると、自分で考える癖が付いて効果的かもしれませんね。

 

何が身につくか

選挙で自分の意思表明をする姿勢

子どもの頃から、選挙を通して自分の考えを反映させることを当たり前と思えるようになります。

 

自分で考えて、意見を持てるようになる

クラスメイトや友人の意見を聞くことで、自分にはなかった発想や視点を知ることができます。

柔軟な考えを持つ子どもの頃から意見を持つ機会を積み重ねることで、他人の意見を聞きつつも自分の意見を形成する姿勢が身に付くようになります。

 


 

模擬選挙では、現在の日本の教育に足りない、思考力を深める練習ができます

私自身、日本の小中学校に勤務して感じたことの一つが、自分の意見を持っている生徒がアメリカよりも圧倒的に少ないことでした。

 

日本の教育では、どうしても正しいか誤っているかで測られてしまいがちで、生徒が発言する際も「間違っているかもしれないんですけど…」と言ってから発言をする子が多くいました。

 

対するアメリカでは、正誤はあまり関係なく、なぜ自分がそう考えたのかを相手に伝えることを求められました。

模擬選挙だけではありませんが、考えを深めるプロセスを重視することで、子どもたちの思考力の形成にもつながると考えます。

 

 

中学校:絵本を作る

中学校では、アメリカの大統領になれる条件を紹介した絵本を作成する、という課題を出されました。

 

 

扱う単語が専門的になるので、日本の高校の英語の授業で取り入れたら面白そうですね!

 

★絵本の条件は以下のとおり:

  • 小学生でも楽しんで読めること
  • ストーリーの中でアメリカの大統領になるための条件を紹介すること
  • アメリカの大統領ができる8つのことを紹介する(授業で予習済みの内容)
  • ストーリーに加えて用語集も作成する
  • 参考文献を最後に付ける

 

クラスで誰の絵本が一番面白かったのかを投票して、1位に選ばれた人には評価にプラスで2点追加されるボーナスがありました。

 

ちなみに、私が実際に作成した絵本がこちらで、なんとクラスの中で1位に選ばれました!

 

何を学ぶか

相手に分かりやすく伝えるために、どう情報を取捨選択するか

 

選挙関連の用語は難しいものも多いため、それをどう分かりやすく伝えられるのかを考えさせられました。

 

これは社会人になってからも活かせるスキルでした!

小中学生の頃から、相手を意識したプレゼンや課題に取り組むことで、仕事でトラブルが起こった際など、どう分かりやすく状況と自分の意見を伝えると効果的なのかを考えて行動できるようになりました。

 

個性を出すために試行錯誤する経験

 

当時はまだ中学生でしたが、自分で作ったものが周りから評価される経験をして、相手に意見を伝える効果的な方法を考えるきっかけになりました。

例えば、以下の気づきは今でも大切にしています。

 

  • どんなものなら人に魅力的に映るのか
  • 他人に分かりやすく伝えるにはどうしたら良いのか
  • 興味がない人にも面白いと思えるかのセルフチェックの癖付け

 

このような学びは、社会人になってからも応用できるので、「相手にどう伝わるのか」を意識する姿勢と経験を得られました!

 

評価方法

評価項目

この時使用されたのは、ルーブリック評価でした。

 

外観、内容、物語と本題の関連性、条件の満足度、イラスト、文法の6つの評価項目に対して、1〜4点の中で評価されます。

 

 

このルーブリックは、当時生徒として受け取ったものをベースに、日本語に訳しています。

PDFと編集可能なWordファイルはこちらです。

 

PDF: rubric PDF

Word: rubric word

 


 

ルーブリック評価の魅力

  • 生徒に目指すべき姿を提示しやすい

生徒にこのルーブリックを提示することで、彼らが目指すべき姿や具体的な目標を考えやすくすることが可能です。

また、目指すべき姿を明確に提示することで、振り返りの際に自身の課題を考えて発表の改善ができるようになりました!

 

  • 誰でも評価がしやすい

文法などのミスの回数などが数値化されるため、誰でも考えることなく評価ができることが魅力でもあります。

教師の主観によらずに公平に評価しやすいシステムを取り入れられます。

 

実際に教える側としてルーブリックを使用したことがありますが、評価に迷う時間がなくなるという嬉しい効果もありました!

 

英語で選挙について話すなら知っておきたいこと2つ

ここからは、海外取引を担当されている方やこれから担当する方におすすめのポイント2つについて触れておきます。

 

海外とのやりとりがある方であれば、選挙に限らず時事問題に対して日本人としてどう思うのか、また選挙関連で知っておきたい基本の単語をご紹介します!

 

「日本人」としての心得

海外とビジネスをしていると、時事問題や選挙についてなど、日本人はどう考えているのかと質問を受けることがあります。

 

個人の意見を持つことも大切ですが、「日本人はどう考えているのか?」を理解して説明できるようになっておくことを強くお勧めします。

 

と言うのも、海外の取引先との話題で時事問題などについて、どう考えるのかを聞かれることがあるからです。

 

アメリカでトランプ氏が当選した頃は、取引先の海外メーカーとは「トランプ氏についてはどう?」などと聞いた上司も中にはいました。

「日本はこのことについてどう思っているの?」と聞かれることもあり、日本人として答えを求められることも多々ありました。

 

一朝一夕で身につくものではないので、こういった質問に対応するには対策が必要になります!

 

対策

英字新聞を読むこと

 

まず時事問題を知るには、英字新聞を読むのがおすすめです。

英語を使って、日本だけではない世界の時事問題に触れたり、各国の視点を垣間見たりすることができるためです。

 

 

英字新聞などはハードルが高そうに感じますが、記事の全てを理解しなくてもOKです。

まずは読んだ記事にネガティブな印象を与える言葉が使われていたかなど、大まかなイメージを掴む練習をするのがおすすめです。

 

ぴか英語でも、2020年の時事問題に関わる英語をまとめてあるので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

参考サイト

日本のニュースを英語で読むなら、The Japan Times

海外のニュースを知るのなら、フラットな報道をしていると言われているロイター通信がおすすめ、とネイティブの先生から教えてもらったことがあります。

 

選挙関連の基本の英語

ここからは、選挙関連の基本の英語をご紹介します!

 

ballot 投票用紙

election 選挙

election day 選挙の日

pledge 公約

polling station 投票所

 

vote 投票(する)

voteは名詞にも動詞にも使えます!

 

ちなみに、voteと同様にcast a voteというフレーズもよく使われます。

castを追加させることで、「票を投じる」という意味になります。

 

 

vote by mail 郵送での不在者投票

イギリス・オーストラリア英語ではpostal voteと表現します。

 

early voting 期日前投票

この他に、I went to vote before the election day. と表現すれば、期日前投票をしたと伝えられます。

 

まとめ

アメリカの面白い社会の授業はいかがでしたでしょうか?

この他にも、ユニークなアメリカ文化:3月14日はパイデー(Pi Day)!などをご紹介しているので、授業アイディアの参考になれば嬉しいです!

 


 

私ぴかが英会話レッスンを再開したので、体験レッスンを受けてみたい!という方は詳細をご確認ください。

Thank you for reading!

See you soon!


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